尿検査
尿糖
尿中の糖分を調べる検査です。血液中の糖濃度がある値(おおよそで 160〜180mg/dL) を超えると再吸収しきれなくなり尿中に糖が漏れ出てきます。
糖尿病や腎性糖尿などで陽性となります。腎性糖尿とは血糖値が高くなくても、尿糖が陽性になる病態で特にご心配いりません。
尿蛋白
尿中のたんぱく質の量を調べます。血液は腎臓の中の不要物だけがろ過され尿中に排泄されます。
正常であれば血液中の蛋白は腎臓ですべて再吸収されます。腎臓病、心臓病、感染症等で腎機能が低下すると、蛋白が腎臓からもれ出てくるため陽性となります。
ただし運動、ストレス、多量の肉摂取後、月経前等でも一時的に陽性と出る場合があります。
尿潜血
目には見えなくても尿に血液が混じっていないかを調べます。
陽性であれば、尿の通り道のどこかに出血源がある可能性が高く、尿路結石、膀胱炎、糸球体腎炎、前立腺炎などで陽性となります。
女性では生理前後に一過性に陽性になる場合があります。
持続的に強陽性で今まで未精査であれば、念のため泌尿器科外来の医師にご相談下さい。
ウロビリノーゲン
胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によって分解されてできる物質です。大部分は便とともに排泄されますが、ごく少量が血液中に再吸収され尿から排出されます。
疑陽性が正常ですが肝臓、胆嚢、胆道系疾患で強陽性となります。肉類の摂取、運動、疲労、脱水、便秘、飲酒でも一時的に陽性となる場合があります。
尿ケトン体
下痢、嘔吐など胃腸の消化吸収のトラブル、糖尿病、甲状腺疾患、発熱等で陽性となります。
妊娠、ストレス、 過剰なダイエット、空腹時にも陽性となる場合があります。
尿pH
尿が酸性(pH4.5)やアルカリ性(pH8)かを調べます。食事の影響で一時的に正常範囲を超えることがあります。
継続的にアルカリ性の場合は膀胱炎などの尿路感染症など、酸性の場合は糖尿病、痛風、発熱、下痢、野菜不足などの可能性があります。
尿比重
蒸留水に対する尿の比重を調べます。尿の中には、さまざまな物質が含まれているため、普通の水に比べて比重が高くなります。
この比重の変化を調べることで腎機能の異常などを発見することができます。
尿沈渣
尿を遠心分離器にかけて、できた沈殿物を調べます。沈殿物は赤血球、白血球、細菌、各種細胞、尿酸結晶などがあります。
ごく少量なら特にご心配ない場合が殆どですが、赤血球が多い場合は糸球体腎炎、腫瘍、感染症、結石などの可能性があります。
白血球や細菌が多ければ尿路感染症が考えられますので、泌尿器科外来を受診し医師にご相談下さい。
尿酸結晶が見られる場合は高尿酸血症(痛風)が疑われます。最寄りの内科外来を受診し医師にご相談下さい。